太陽光発電のリパワリング事例

目次

発電量が低下した太陽光発電所では、故障箇所の局所的な修理や同型機への交換にとどまらず、新しい機器への更新や設備設計全体の見直しを行う「リパワリング」によって、発電量および売電収入の改善が可能です。

本記事では、1,000kW規模のメガソーラーから低圧発電所、自家消費型まで、設備課題に応じて適切な改修を行い収益性を向上させた事例を市紹介します。

規模・目的別のリパワリング導入事例

FIT残存期間や設備規模、運用形態(売電型・自家消費型)によって、適切なリパワリングの手法は大きく異なります。自社発電所の稼働状況に近い事例を参照し、設備改修による収益改善の具体像を把握することが重要です。

事例1|パネル再設計で発電量2.5倍

アースコムが手掛けた、高圧売電型太陽光発電所(埼玉いわつき発電所)のリパワリング事例です。経年劣化によって出力低下が進んでいた設備に対し、敷地全体のレイアウト設計を一から見直すことで発電効率を抜本的に改善させました。

高効率太陽光パネルへの刷新および地上反射シートの施工に加え、パネルの配線・配列(ストリング構成)を再設計し、敷地面積に対する発電密度を最大限まで高める手法が採用されています。

改修後の発電量は施工前の約2.5倍へ改善し、年間売電収益にして約597万円の上乗せ効果が実証されています。

※本数値は該当発電所における実績値であり、実際の改善率は既存設備の劣化状態や設置環境によって変動します。

発電所名 / 区分 埼玉いわつき発電所 / 高圧(売電型)
主な改修内容 高効率パネル交換、パネル配列再設計、反射シート施工
改善成果 発電量 約2.5倍 / 売電収益 +約597万円
※参照元:アースコム公式HP
https://earthcom-eco.jp/repowering/

事例2|1,000kWで前年同月比114%

茨城県行方市に位置する、2013年7月稼働の1,000kW高圧太陽光発電所(メガソーラー)の改修事例です。開設から約10年間にわたり本格的な保守・点検が行われておらず、経年劣化により稼働率が著しく低下していました。さらに、隣接地樹木の影がパネルにかかっているものの、伐採が困難という技術的課題を抱えていました。

対策として、大型集中型パワコンを新しいの分散型小型パワコンへ全面刷新することで変換効率を飛躍的に向上させ、万一の故障時におけるシステム全体の全停止リスクを分散。さらに影の影響を受けるパネル回路へオプティマイザを装着し、電圧制御によって出力ロスを最小限に抑え込んでいます。

施工後の発電量は前年同月比114%を達成。発電量増加に伴う売電増収と、保証付帯による修繕費等のランニングコスト削減が相まって、月間50万円以上の総合収支改善を実現しています。

所在地 / 規模 茨城県行方市 / 高圧 1,000kW(メガソーラー)
稼働開始時期 2013年7月(開設10年目に施工)
主な改修内容 小型パワコン交換、パネル用オプティマイザ設置
改善成果 発電量 前年同月比114% / 月間収益50万円以上アップ

事例3|低圧3サイトで発電量6〜7%向上

スガナミ物産が、連系開始から2〜3年目が経過した低圧単相3サイトにおいて早期リパワリングを断行した事例です。

現行のパワコンをFIT満了まで運用した場合に発生する将来的な機器交換コストや、東側隣接樹木の影による発電損失が懸念されていました。事前に収支シミュレーションを行い、残存FIT期間全体での増収額が投資費用を上回る確証を得たうえで、遠隔監視によるO&M(保守点検)簡素化を見込んでソーラーエッジ社製システムの導入を決定しています。

リパワリング実施後は、単月実績において3サイトすべてで発電量が6〜7%向上。FIT期間満了までの製品長期保証が付帯されたことで、将来的な修繕費用リスクの排除にも成功しています。

事業者名 / 規模 スガナミ物産 / 低圧単相 3サイト
運用年数 連系2〜3年目(早期リパワリング)
主な改修内容 オプティマイザ+パワコン交換、遠隔モニタリング導入
改善成果 単月発電量 6〜7%アップ / FIT終了までの延長保証付与
※参照元:ソーラーエッジ・テクノロジーズ公式HP
https://www.solaredge.com/ja/commercial/testimonials

事例4|自家消費型で逆潮流ロスを解消

岐阜県瑞浪市のスーパーマーケット「バロー瑞浪中央店」に導入された、自家消費型151.2kW太陽光発電施設の改修事例です。売電型とは運用目的が異なるものの、発電量のロス要因が単なる機器故障のみにとどまらないことを示す好例です。

他社が設計・施工した既存設備において、RPR(逆電力継電器)が電力系統側への逆潮流を過剰に検知し、パワコンが頻繁に発電を自動遮断することで甚大な出力ロスが発生していました。そこで、負荷追従制御機能を備えた新パワコンへ変更し、店舗のリアルタイムな消費電力に合わせて高精度に発電量を制御するシステムへ再構築しています。

改修の結果、不要な自動停止が完全に回避され、店舗内における自家消費率の最適化(電力購入量の削減)を達成しています。

施設名 / 規模 バロー瑞浪中央店(岐阜県) / 自家消費型 151.2kW
主な改修内容 追従制御式パワコンへの交換(2021年6月完工)
改善成果 逆潮流ロスの解消、店舗自家消費率の最適化
※参照元:ユニバーサルエコロジー公式HP
https://unieco.co.jp/service/repowering/202106_008/

まとめ|事例から学ぶ収益最大化のポイント

太陽光発電所で出力低下や故障が発生した際、「壊れたパワコンと同等品をそのまま交換するだけ」の応急処置では、本来獲得できるはずだった売電収益の上乗せ機会を逸失するリスクがあります。

高効率パワコンへの全面刷新、オプティマイザによる影対策、ストリング(パネル配置)の再設計を複合的に組み合わせることで、建設当時を上回る発電能力へ引き上げ、残りのFIT期間で膨大な追加収益を創出できる可能性が高まります。

高単価なFIT売電権利が残存している今こそ、単なる修理・部品交換で済ませず、新しい機器へのリパワリングによってどれだけの増収効果を見込めるか、信頼できる専門業者へ現地調査と収支シミュレーションを依頼することが推奨されます。

FIT残存期間と目的で選ぶ
リパワリング業者おすすめ3選

Three Selections 地上設置の太陽光発電所オーナー向け
FIT残存期間別におすすめの
リパワリング業者3選を紹介

リパワリングは「修理・交換」とひとくくりにされがちですが、FIT残存期間の年数によって「何を優先すべきか」が変わります。
このページではFIT残存期間を軸に、それぞれの状況に合った業者を紹介します。

FIT残存期間
10年以下
修理ついでに発電量の
増加で収益アップ

アースコム
アースコム公式HPのキャプチャ
引用元URL:アースコム公式HP(https://earthcom-eco.jp/repowering/)
  • 両面パネルの導入などにより、発電量の改善実績は平均150%アップ※。パワコン交換だけでは届かない水準で、短いFIT期間でも発電量を増やし、売電収益に積み上げやすくする。
  • 架台の再加工技術により、既存の基礎・構造を活かしながらパネル交換に対応。大規模な撤去・再設置を必要とせず、リパワリングのハードルを下げられる。
対応範囲 パネル交換・架台加工・強度アップ・パワコン交換・盗難対策・O&M・無料診断など
FIT残存期間
10年超え
修正箇所を見極めて
収益改善

エクソル
エクソル公式HPのキャプチャ
引用元:エクソル公式HP(https://www.xsol.co.jp/secondary_solution/repowering_solution/)
  • 改善効果が確認されてから費用が発生する成果報酬型を採用。FIT残存期間に余裕があるからこそ、必要な修繕から段階的に着手できる。
  • 発電所の状態を数値とランクで可視化する診断を実施。どこに改善の余地があるかを客観的に把握したうえで修繕対象を絞り、不要な工事にコストをかけずに済む。
対応範囲 パワコン交換・劣化度評価・FIP転用・現状診断など
FIT期間終了
卒FIT
卒FIT後も発電所の
収益を維持

ヒラソル・エナジー
ヒラソル・エナジー公式HPのキャプチャ
引用元:ヒラソル・エナジー公式HP(https://pplc.co/)
  • 他社製を含む既存設備も横断的に制御する独自のEMSを保有。設備を入れ替えずに一元管理が可能。大規模な設備投資なしにFIT終了後も発電所の運用を継続できる。
  • 発電所の診断・修繕・運営を一社で担う。各領域を別々の業者に依頼する手間がなく、FIT後の対応を自ら調整せずに依頼可能。
対応範囲 再生支援・性能診断・設備更新・J-EMSによる既存設備の一元管理など
     
      ※参照元:アースコム公式HP|2026年7月時点の実績。アースコムでリパワリング工事をした
産業用・高圧・FIT36円・FIT残9年・月の平均発電量29,627kWh→ after 43,586kWhのケースから算出した数値。(https://earthcom-eco.jp/repowering/)