太陽光発電所のリパワリングを検討するときは、複数の業者から見積もりを取ることで、工事費用や提案内容を比較できます。
ただし、リパワリングには、PCSのみを交換する方法から、太陽光パネル、架台、配線などを含めて発電所全体を改修する方法まであります。 そのため、見積金額だけを並べても、提案内容の違いを正しく比較できないことがあります。
このページでは、リパワリングの相見積もりを取る際に、見積書や提案書で確認したい7つの項目を紹介します。
最初に、リパワリングによって何を改善したいのかを整理しましょう。 目的が明確でないまま見積もりを依頼すると、業者ごとに異なる工事内容が提案され、比較が難しくなります。
主な改修目的には、次のようなものがあります。
故障設備の復旧が目的であれば、PCS交換を中心とした工事が適している場合があります。 一方、発電量や売電収入の改善が目的であれば、設備全体の診断やパネル・架台を含めた改修も比較対象になります。
最初に確認したいのが、見積金額に含まれている工事範囲です。 同じリパワリングでも、業者によって提案する設備や作業内容が異なります。
見積書に「リパワリング工事一式」とだけ書かれている場合は、具体的な作業内容と、見積もりに含まれない作業を確認しましょう。
適切な改修方法を選ぶためには、発電量が低下している原因を把握する必要があります。 PCSを交換しても、パネルの劣化や配線不良、影の影響などが原因であれば、期待した改善効果が得られない可能性があります。
見積もり前の調査では、次の項目が確認されているかをチェックします。
提案書に発電量の改善予測が記載されている場合は、数値だけでなく、その算出根拠を確認します。
過去の発電実績、設備容量、日射量、パネルの劣化率、PCSの変換効率、出力抑制など、どの条件を使って試算しているのかを確認しましょう。
発電量の改善率は発電所ごとに異なるため、特定の改善率がすべての発電所に当てはまるわけではありません。 複数社の予測に大きな差がある場合は、それぞれの前提条件を比較する必要があります。
初期費用の安さだけでなく、FIT残存期間中にどれだけの売電収入を見込めるかを確認します。
| 初期費用 | 機器費、工事費、撤去費、設計費、申請費など |
|---|---|
| 増加する売電収入 | 発電量の改善によって増えると予測される収入 |
| 維持管理費 | 点検、修理、部品交換、遠隔監視などの費用 |
| FIT残存期間 | 現在のFIT単価で売電できる残りの期間 |
| 投資回収期間 | 改修費用を発電収入の増加分などで回収するまでの期間 |
FITの残存期間が短い発電所では、高額な全面改修より、投資回収しやすい範囲に工事を絞る方が適している場合もあります。
工事期間中に発電を停止する場合は、停止日数と売電機会損失も比較対象になります。 工事費用が安くても、発電停止期間が長ければ、売電収入への影響が大きくなる可能性があります。
次の点を確認しましょう。
予防保全によって設備の停止時間を抑え、突発的な長期停止を避けることも、発電事業を継続するうえで重要です。
太陽光パネルの仕様や枚数、PCSの容量、設備の構成などを変更する場合は、変更内容に応じて変更認定申請や届出などが必要になることがあります。
また、既存のパネルと異なる寸法・重量のパネルへ交換する場合や、架台を加工する場合は、設置環境や耐久性を踏まえた確認も必要です。
見積もり時には、次の対応範囲を確認しましょう。
施工後の保証内容や、不具合が発生した場合の対応体制も確認します。 機器メーカーの製品保証と、施工会社による工事保証は別であることが多いため、それぞれの範囲を確認しましょう。
複数社の見積もりを比較する際は、以下の項目を業者ごとに整理すると、費用だけでなく提案内容の違いも把握しやすくなります。見積書や提案書を確認しながら、各欄に内容を記入して比較してみましょう。
| 確認項目 | 業者A | 業者B | 業者C |
|---|---|---|---|
| 工事範囲 | |||
| 見積金額 | |||
| 年間発電量の予測 | |||
| 予測の算出根拠 | |||
| 投資回収期間 | |||
| 発電停止期間 | |||
| 申請・設計対応 | |||
| 製品・工事保証 | |||
| 施工後の保守 |
各社から同じ条件で提案を受けるために、可能な範囲で次の資料を用意します。
資料がそろっていない場合でも、現地調査や設備確認に対応できるかを業者へ相談しましょう。
相見積もりでは、最も安い業者が必ずしも最適とは限りません。 工事範囲が狭い、発電改善予測の根拠が不明確、申請や既存設備の撤去費用が含まれていないなど、金額が安く見える理由がないかを確認する必要があります。
一方で、すべての設備を交換すればよいとも限りません。 発電所の状態やFIT残存期間によっては、必要な設備だけを更新する方が投資回収しやすい場合があります。
工事費用、発電改善効果、FIT残存期間、発電停止期間、施工後のリスクを総合的に比較し、自社の目的に合う業者を選びましょう。
リパワリングは「修理・交換」とひとくくりにされがちですが、FIT残存期間の年数によって「何を優先すべきか」が変わります。
このページではFIT残存期間を軸に、それぞれの状況に合った業者を紹介します。
| 対応範囲 | パネル交換・架台加工・強度アップ・パワコン交換・盗難対策・O&M・無料診断など |
|---|
| 対応範囲 | パワコン交換・劣化度評価・FIP転用・現状診断など |
|---|
| 対応範囲 | 再生支援・性能診断・設備更新・J-EMSによる既存設備の一元管理など |
|---|